よくある質問にお答えします
「なんで大学に警察が入って悪いのか分からない」「大学のキャンパスは私有地だろう」等の
疑問・質問をたまに頂戴します。識者の方々に分かりやすく解説を頂きましたので、参考に
していただければ幸いです。
Q 学校の許可を得てビラまきをしていればよかったのでは?
松沢呉一さん(ライター) にお答えいただきました。
A 戦前、出版物は、事前に内務省に提出して検閲を受けなければ発行することができませんでした。この時に表現の自由があったと言えるでしょうか。「学校の許可を得ればいい」という発想は、このような検閲を肯定することになります。
検閲は憲法でも禁止されているように、それ自体、表現の自由を否定するものです。学内における表現の自由のためには、許可を得ないビラまきこそが保証されなければならないのです。
Q
拡声器などは騒音で迷惑。ビラまきは交通の邪魔。
絓 秀実さん(呼びかけ人)にお答えいただきました。
A もちろん、拡声器を使っている当事者(とりわけ、今回の場合)は、音量などの配慮をしています。しかし、全く騒音のない世界がかえって気持ち悪いことはいうまでもありません。たとえ官憲の許可を得ていないものでも、もっとうるさいもので、あなたが許容している「騒音」はいくらでもあるでしょう(盆踊り? 選挙演説? 酔っ払い?)。ビラについても同様。とりわけ、大学のように歴史的に形成されてきた公共空間にあっては。早稲田にも、学問上、「ノイズ」とか「ハイブリディティー」の積極性を主張している教員は多いはずです。
Q 大学に警察が入ってなぜ悪い?
絓 秀実さん(呼びかけ人)にお答えいただきました。
もちろん、緊急に警察を導入しなければならない場合があることを、全く否定はしません。たとえば、大学構内で殺人がおこなわれそうな場合などは、そうでしょう。しかし、今回の場合は裁判所さえ認めたように、まったくその必然性がありません。一部教員の妄想によって導入され、しかも「導入」を隠蔽しようとしたのです。(教授会では、警官を導入したのではなく、馬場下交番に引き渡した、という報告がなされた様子です)。大学のような、(擬似的ではあれ)、自称「自治的」な空間で、出来る限り警官を導入しないという態度は、当局側にとっても当然のことではありませんか。
(追記:1月30日)
上記「教授会では、警官を導入したのではなく、馬場下交番に引き渡した、という報告がなされた様子です」という部分に対して、安藤文人教員や学担教員から、最近の文学部門前ビラまきの際に「事実と異なる、訂正せよ」との抗議がなされている(奇妙なことに、10日ほど前までは、そういった抗議はなく、「何故、教授会の内容が漏洩しているのか、機密漏えいだ、教授会に君たちのスパイがいるのか!」というものだった)。五月蝿いので、ここでなぜそういうことを私が知りえたかを、明らかにしうる限りにおいて記しておく。
2005年12・20の事件が起こって数日後、私は或る文学部教員に、電話で「警官のキャンパス内導入をどう考えるのか?」と問う機会を得た。その時に、その人間は「導入したのではなく、馬場下交番に(ビラを撒いていた人間を)連れて行って引き渡した、と教授会で報告を受けている」と答えたのである。もちろん、どちらでも50歩100歩のことであるが、私はその教員とは初めて話す未知の間柄なので、「同じことじゃないか」と怒鳴りはしなかったが、認識のアマさに呆れたので良く記憶している。したがって、これが「事実と異なる」というのであれば、私は訂正することにやぶさかではないが、そのためには安藤教員なり学担なりから、その事実(証拠)を示していただきたい。これは、どう考えても漏洩をはばかり秘匿すべき情報などではないはずである。
Q 私立大学のキャンパスは私有地なのだから、大学に無断で立ち入ったら建造物不法侵入になるのは当然なのではないですか?
木村建哉さん(呼びかけ人)にお答えいただきました。
A
大学のキャンパスとは、個人の住宅のような単なる私有地ではありません。それは、学外者にとっても開かれているべき公共的な空間です。
まず、教職員および学生の様々な活動の成果を社会に還元することは大学の義務であり(大学には、補助金という形で国民の税金も投入されています)、そのために学外者が自由にキャンパスに出入りし学生や教職員と交流できることが必要です。
しかし、同時に、学外者との開かれた交流を通して、学生や教職員の側も創造性と活力を得ることができるのです。様々の活動を通じての学外者との交流は、学問が現実から遊離してしまうことを防いでくれるでしょう。また、若い学生が自らの色々な可能性を見出していく上で大きな助けになるでしょう。大学当局にとっては都合の悪い学外者のみを狙い撃ちにして、教職員や学生と接触・交流することを妨げようという態度は、大学の創造性と自由、そしてその活力と可能性を大きく損なうものです。
もちろん、学外者がキャンパス内に立ち入ることをどの程度許容するかは、大学によって事情が違い、安全面への配慮からある程度神経質に成らざるを得ない場合も当然あるでしょう。しかし、そうした場合にも、大学関係者は、大学キャンパスとは本来は公共的な空間であるということを常に忘れてはならないのではないでしょうか。
キャンパス内で静かにビラをまいているだけの人間を、学外者だという理由だけで逮捕し、警察の手に引き渡すのは、大学のキャンパスをただの私有地と混同し、その公共性を見失っているのではないでしょうか。
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